一時、巷を賑わせまくった某あおり運転事件。あの事件をきっかけとして重大な社会問題になった感があります。当然のごとく加害者に非がある許されざる行為であることに変わりはないですが、ちょっとした気配りや配慮であおられるリスクが減少するんじゃないか?そう考えた理由を掘り下げていきます。
※本サイトはあおり運転を擁護するものではありません。あおり運転は非常に危険であり、道路交通法違反として厳しい取り締まりの対象となります。絶対にやめましょう。
「あおり運転」とは、周りのクルマに恐怖や危険を与える運転行為のこと
「あおり運転」について、現時点で明確な定義は無いようですが、三井住友海上では以下としています。
あおり運転とは、前方の車との車間距離を詰めたり、周囲の車を威嚇、挑発したりする危険な運転のことです。ただし、あおり運転に明確な定義はありません。不必要に車間距離を詰めたり、前を走りながら蛇行運転をしたりするなどの行為が、あおり運転に該当します。https://www.ms-ins.com/labo/higoro/article/002.html
具体的な行動として、以下の10項目が挙げられます。
- 対向車線からの接近や逆走(通行区分違反)
- 不要な急ブレーキ(急ブレーキ禁止違反)
- 車間距離を詰めて接近(車間距離不保持)
- 急な進路変更や蛇行運転(進路変更禁止違反)
- 左車線からの追い越しや無理な追い越し(追越し違反)
- 不必要な継続したハイビーム(減光等義務違反)
- 不必要な反復したクラクション(警音器使用制限違反)
- 急な加減速や幅寄せ(安全運転義務違反)
- 高速道路などの本線車道での低速走行(最低速度違反(高速自動車国道))
- 高速道路などにおける駐停車(高速自動車国道等駐停車違反)
よって、本サイトでは「周りのクルマに恐怖や危険を与える運転行為」としたいと思います。
前提として「あおり運転」は、そのアクションを起こした時点でする側が100%悪いのは事実
結論、「あおる」というアクションを起こした以上はあおる側が悪いことには変わりはありません。
本記事の意図としては、その上で少しでもあおられるリスクを減らすことができるのでは?という視点から執筆しております。
「あおり運転」が発生するきっかけは何だろう?
加害者とて、ドライバーにとって重罪であることを承知で「あおり運転」というアクションをわざわざ起こしているわけです。それにはいくつかのイライラ要素が蓄積して爆発…といった段階を踏んでいるかもしれません。周囲のクルマの「イライラ要素」を取り除くことであおり運転に繋がるリスクを軽減できるのではないでしょうか?
何があろうとあおり運転をするドライバーに問題はあるということは大前提ですが、何のきっかけもなくあおり運転を行うことはまれなはずです(そのようなイカれたドライバーも中にはいらっしゃるかもしれませんが…)。
皆様も運転中、モヤモヤするクルマに遭遇したことが少なからずあることでしょう。そのような運転をしないことで、あおり運転が発生するリスクを軽減できると考えます。具体的な事例を見てみましょう。
無理な合流や車線変更
きっかけとして、この事例が最も加害者を刺激するものかと推測します。
無理なタイミングでの強引な合流や車線変更は、後続車を慌てさせ急ブレーキを踏まざるを得ない状況になり得ます。場合によっては身の危険を感じることもあり、後続車ドライバーにとってイラっとする瞬間でしょう。
余談で、これには賛否両論あるでしょうが、合流時にはいわゆる「サンキューハザード」を可能な限り活用することをお勧めします。もちろん安全運転に支障がある状況では使用を推奨しませんが、日本の交通社会ではデファクトスタンダードな要素が強いです。「礼をされなかった!」と憤慨するドライバーもいるようなので、「とりあえず」でも暗黙のルールに則ることが無難かと思います。
フラフラ運転・挙動不審
前提として、複数台連なって同じ車線を走行するとき、先行するクルマの挙動は嫌でも目に入りますし、そのリズムに良くも悪くも影響されます。スムーズな運転をしていたらいいのですが、フラフラしていたりウインカーを出しては「やっぱやめた」と直進する…など、挙動不審な動きをしていると後続車のリズムも崩れ、イライラを蓄積させてしまうことになります。
不必要なブレーキの連発
前項と同じく、直線や前にクルマがいない状態での不必要なブレーキは、後続車は反射的にブレーキを踏んでしまい加減速の激し運転になってしまいます。巡航中のドライバーは、無意識に前のクルマの動きに同調反応をしてしまうことがあるものです。
強いては渋滞の原因になることも。
法定速度を大きく下回るノロノロ運転・上り坂での減速
可能な限り、法定速度に近いスピードでの走行が理想的です。もちろん安全が確保できない状況(悪天候等)では仕方ありませんが、環境が整っている場合は定期的にスピードメーターをチェックし、知らず知らずに減速していないか確かめましょう。
もし慣れない道路や環境などで不安がるものの後続車が続いているようならば、路側帯などに一時的に退避しやり過ごすといいでしょう。
追い越し車線を延々と走っている
高速道路などでは、左側や真ん中の車線(3車線以上の場合)が走行車線、右車線が追い越し車線となっているケースがほとんどです。
左<真ん中<右
の順で速度域が高くなるように設計されています。
速度が速いクルマは、先行車が追い越し車線に居座り続けられると追い越すことができません(左車線からの追い越しは「追い越し違反」になります)。
スムーズな交通の妨げになるうえ、道路交通法第27条「追いつかれた車両の義務」違反になりますので、追い越しが完了したら走行車線に戻ることが必要です。
「あおられない」ためにドライバーが心掛けたいこと。
以上のように、知らず知らずのうちにあおられるきっかけを作ってしまっている可能性があります。
前項のきっかけとなるような運転をしないように意識する
自衛のために重要なことは、何よりも周囲のクルマをイライラさせない運転を心がけることです。上でいくつか具体的な事例をピックアップしましたが、普段何気なく行っていないか振り返ってみましょう。
周りの交通状況を把握する
運転全般に言えることですが、スムーズな運転=周りの交通状況を妨げない運転であると考えます。上の具体例以外にも、無意識に他車を妨げてしまうことがあればあおり運転のきっかけになりかねません。周囲の交通状況を正確に把握し、流れに沿った交通ができるよう心掛けることが大切です。
ある程度の「スルースキル」
上のように意識をしていても、運が悪いと地雷を踏みかけることもあるでしょう。その場合は「逃げるが勝ち」です。
あおり運転が行われる前兆として、車間距離が近づくなどの異変に気付くこともあるかと思いますが、その際はさっさと道を譲って先に行かせてあげましょう。
それでも「あおり運転」に遭ったら…
まずは何よりも自身の安全を確保しましょう。人目のある安全な場所にクルマを停止させ、ドアをロックするなどして危害を与えれらないように。同時に速やかに警察に連絡し、車内で警察官の到着を待ちましょう。
また、状況を記録するためにドライブレコーダーの設置を強くお勧めします。昨今では半数以上のクルマが装着しているといわれますが、もはや必需品といっても過言ではありません。最低限前方が録画できれば及第点ですが、車内や後方も録画できるドラレコ環境があるとより安心です。
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